今回は鎌倉検定公式テキストブックにも掲載されている数あるやぐらの中の一つ「瓜ヶ谷やぐら群」のご紹介になります。
目次
やぐらとは?
やぐらとは
中世鎌倉を取り巻く丘陵山腹を穿って(掘って)造られてた仏堂的横穴墳墓などの総称。
入口&羨道(せんどう)→玄室(げんしつ)という構成になってます。
玄室:方形に削られた空間
羨道:玄室に向かう通路、または入口
やぐらには大きく二つの意味があるようで
墳墓としてのやぐら
玄室内に壇を設けて納骨穴を造り、その上に五輪塔や宝篋印塔などの供養塔を置き、内部は漆喰のものも
仏堂的側面のつよいやぐら
壁面に梵字や五輪塔、仏像などが彫刻されている
鎌倉市内で知られているやぐらの数は千基ほどあり、埋もれているものも含めれた二千基以上になるという
市指定史跡 瓜ヶ谷やぐら群
鎌倉市指定文化財一覧表(鎌倉市HP)での記載は下記の通りです。
件名 | 員数 | 指定年月日 | 所在地 | 所有者 |
---|---|---|---|---|
瓜ヶ谷やぐら群 | 5穴 | 昭和46・9・11 | 山ノ内字東瓜ヶ谷1195番 | 個人 |
瓜ヶ谷やぐら群の動画(YouTube)
鎌倉検定の公式テキストブックには下記のように書いてあります。
葛原岡神社の北側の谷にある五穴からなる鎌倉時代のやぐら群で、内部に丸彫りの地蔵菩薩像があるものは「地蔵やぐら」と言われる。鳥居形、五輪塔など壁面彫刻が多いことでも知られる。
新版改定 鎌倉検定公式テキストブック
が、やっぱり実際見に行かないと頭に入ってこないですよね・・・。
瓜ヶ谷やぐら群の場所(地図)
googleマップでの瓜ヶ谷やぐら群の場所です。道が無い場所にポツンと・・・。
実際は何とか歩ける道があるのですが、瓜ヶ谷やぐら群の所有者が「個人」なので、そこへ至る道も私道なんだと思います。
JR北鎌倉駅側から
1.JR北鎌倉駅近くにある「十王橋」付近から梶原に抜けるちょっと広い道路(瓜が谷路)を進みます
2.しばらく道なりを進むと、途中から上り坂に変わりますが、さらに登ります
(上り坂の入口に葛原岡神社参道という石標があります)
3.下記写真のような左に進めそうな場所があります。これを左です。

4.左側の道を進めば、目の前に段々畑のような谷戸の風景が現れます。

5.谷戸の外周を沿うように、狭い道が続きます。瓜ヶ谷やぐら群はその先にあります。
(最後はロープを使ってちょっと登ります)

葛原岡ハイキングコースから
瓜ヶ谷やぐら群への道は葛原岡ハイキングコースから繋がっています。
(ただ、公式ハイキングコースでないため、道標などは一切でていません)
1.葛原岡ハイキングコースには、下記のような道標が3か所設置されていますが、
葛原岡神社まで200m地点&浄智寺から550mの地点の道標の先に道が続いています。

2.瓜ヶ谷やぐら群へ向かう道は、鎌倉市が整備しているわけではないのですぐに獣道っぽくなります
(冬シーズンは雑草等も少なく歩きやすいです)
地蔵やぐら(瓜ヶ谷やぐら群)
玄室の真ん中にあるのが「丸彫りの地蔵菩薩像」ですね。地蔵やぐらと呼ばれている場所です。
瓜ヶ谷やぐら群は羨道(入口)が南を向いているので、正午付近は太陽光がやぐら内に入ってきて明るく、神秘的な写真が撮れると思います。
しかし、太陽光が入ってこない、早朝、日没周辺はやぐら内部が真っ暗になり、本当に気持ち悪い場所になります。。。
1号穴と2号穴は内部で繋がっています。
1号穴から入って、2号穴から出るなんてことも可能ですよ。
瓜ヶ谷やぐら群(三号穴)
一号穴(地蔵やぐら)から5号穴までは近い距離で並んでいます。
一合穴と二号穴は内部で貫通してますし、4号穴は殆ど埋まって中に入る事すら難しい状況です。

瓜ヶ谷やぐら群(4、5?号穴)
三号穴の横に、小さくぽっかりと口を開けているのが4号穴でしょうか?
穴が確認できるのはここまで。
5号穴は、4号穴の横にちょっと凹みがあるものがそうなのでしょうか?
それとも上の方に隠れているのでしょうか?ちょっと良く分かりませんでした・・・。
4号穴 5号穴?
西瓜が谷やぐら群
瓜ヶ谷やぐら群の近くには、西瓜ヶ谷やぐら群もあります。
こちらは史跡指定がされておらず、近くの住民の有志の方々がやぐらを土地開発等から守っています。