松林山 大円寺(天台宗)
JRや地下鉄「目黒駅」から、行人坂を下った途中にある大円寺さん。
丁度、お釈迦様の誕生日「降誕会」の日にお伺いしました。桜が遅咲きの年で、桜満開の時期と重なったこともあり境内は賑わっていました。(場所がら、目黒川沿いの花見客が通りますし)
行人坂の大火の火元
さて、大円寺は急な坂道の途中にあり、その坂の名前が有名な「行人坂」。
明和9(1772)年に発生した、江戸三大大火の一つ「行人坂の火事」の出火元がここだったそうです。
門を入った左手にある五百羅漢の石像群は、この大火の犠牲者供養のためにつくられたものとか。
江戸の三大大火は「明暦の大火」「目黒行人坂の大火」「丙寅(ひのえとら)の大火」
今は終わってしまいましたが、昔は「江戸歴史文化検定」があってこの辺りも研究しました。
始まりは修験道から
大円寺の開基は出羽湯殿山の修験僧「大海法印」で、大日如来を本尊として創建。
お寺の前にある「行人坂」は、大円寺で活動していた修験僧の行者が往来したことが由来だそうです。
湯殿山は東北にある、出羽三山神社の一つ(月山神社、出羽神社、湯殿山神社)
大黒天「三面大黒天」としても有名で、山手七福神の一つに数えられています。
本尊:生身の釈迦如来
この大円寺の本尊は、旧国宝で現在は重要文化財の「生身の釈迦如来」、いわゆる、清凉寺式釈迦如来です。
大円寺は江戸時代の創建ですが、本尊の清凉寺式釈迦如来立像は陰刻や墨書から建久4(1193)年、鎌倉時代初期に作成されたと説明板に書かれています。
鎌倉市内に、今は廃寺となった「釈迦堂」があり、嘉禄元(1225)年に第3代執権の北条泰時が父の北条義時の一周忌に建立したものでは?と考えられていますが、その釈迦堂の本尊が、今、大円寺にある清凉寺式釈迦如来ではと推定されています。
大円寺(目黒区)の場所
〒153-0064 東京都目黒区下目黒1丁目8−5