大国禱会成満祭|世界三大荒行の一つ、満了を示す最後の寒の荒行

大国禱会成満祭|世界三大荒行の一つ、満了を示す最後の寒の荒行

大國禱会成満祭(だいこくとうえじょうまんさい)

毎年2月11日 10:30~

千葉県の中山法華経寺で百日の「寒の荒行」を終えた修行僧が最後の水行で満了を示します。

白い行者姿の僧がうちわ太鼓に導かれて、長勝寺境内の水行場に向かい、ふんどし姿で大声で経文を唱えながら頭から冷水を浴びて寒中荒行を奉じます。

白い行者姿の僧

いつもは水が溜まっていない水行場。
寒中荒行は4~7人の僧が1グループになって3組程度に分かれて行われました。(令和5年度)

水行が終わると水が減っているので、都度、水を再び汲み、次のグループの水行へ移ります。

長勝寺の水行場(水盤)

しばらくは「水行肝文(水行の目的と願旨を法華経中より撰出した要文)」を座りながら唱えた後、水行桶で水盤より水を汲んで、まず足に水をかけて、立ち上がって自分の体(主に背中?)に冷水を数回掛けます。

寒中荒行(水行)

1グループの水行が終わるのに大体15分程度です。今回は3グループだったようです。

長勝寺境内

当日の長勝寺には、日蓮宗関係者の方や写真愛好家の方などが沢山境内にいらっしゃいました。

鎌倉には日蓮宗寺院が沢山あるなかで、妙本寺や妙法寺ではなくなぜ長勝寺なのか?知りたいことはまだまだありますけど調査不足です。

長勝寺(鎌倉)

鎌倉市材木座にある日蓮宗の寺院

日蓮宗に帰依した「石井藤五郎長勝」が日蓮の為に結んだ庵が寺の起源です。大きな帝釈堂があって帝釈天ゆかりの霊場。

この長勝寺で大國禱会成満祭が行われますが、その前の百日間の荒行がどのようなものか、実際に調べて現地へ行ってみることにしました!

日蓮宗大荒行

毎年11月1日(入行会)から翌年2月10日(成満会)までの100日間、中山法華経寺に全国の日蓮宗の僧侶が集まって、世界三大荒行の一つに数えられる厳しい「日蓮宗大荒行」という修行が行われます。

※世界三大荒行:インドのヨガ、天台宗の千日回峰行、日蓮宗大荒行

起床は午前2時30分頃、就寝は午後11時30分と、睡眠時間は約3時間。

朝3時、6時、9時、12時、15時、18時、23時と、大体3時間ごとに水行。(1日7回)
その間は読経。食事は5時の朝食と、17時の夕食2回のみ。白がゆ。

家族や友人とも連絡は取れず、パソコン、テレビ、新聞などから情報も得ることができないとか。
修行中は大荒行の門が固く閉ざされます。

この修行を終えることで、日蓮宗の祈禱秘法が伝授されると。また、何回も荒行を行うこともできるそうで、5回(500日)終えると、着られる袈裟の模様とかも違う様で・・・。

2月10日の成満会は、多くの檀信徒や家族が迎えに行き、ちょっと感動の場面です。
※様子はYouTube動画などで見ることができます。

中山法華経寺(千葉)

千葉県市川市にある日蓮宗の大本山。

日蓮上人の弟子だった、富木常忍(後の日常)が建てた法華経寺と、日高が建てた本妙寺が合体してできた寺。

千葉氏の家臣だった富木常忍は鎌倉と千葉を行き来するなかで日蓮上人に帰依し、日蓮が松葉が谷の法難にあい鎌倉から逃げてきたときにこの地で匿ったのが富木常忍でした。

長勝寺の大國禱会成満祭だけを見ると、単なる寒そうな水行ですけど、その前に行われていた100日間の荒行を知ると感じるものは全然違ってきますね。

そんな最後の荒行後の1日を地元で見れるなんて、なんて有難いんだと思います。

鎌倉散策に役立つ本

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