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八雲神社縁起
永保年間(1081~1084)、鎌倉では疫病が流行して民が苦しんでいました。
そんな時、(源)新羅三郎義光が兄の(源)八幡太郎義家による奥州攻め「後三年合戦」の助勢に向かう途中、鎌倉に立ち寄り、疫病が流行っていることを知った義光は、これを救う為、京都祇園社(現、八坂神社)の祭神を勧請したのが始まりとされています。
京都祇園社を勧請したのは、ココで祀っている神様が疫病除けの神だったからです。
八雲神社のご祭神
八雲神社のご祭神は、須佐之男命、稲田姫、八王子命、佐竹氏の霊です。
後から合祀した佐竹氏の霊を除いて、三柱は勧請元の八坂神社と同じご祭神です。
須佐之男命は天照大御神の弟、稲田姫は須佐之男命の妻、八王子命とは、二人の八人の子供たち。
イザナギ===イザナミ
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天照大御神 月読命 須佐之男命===稲田姫
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八王子(八人の子たち)
※稲田姫は櫛稲田姫命、八王子命は八柱御子神とか、別称があるので混乱しない様に
須佐之男命と牛頭天王
牛頭天王については、後述していますが、八雲神社の大元「八坂神社」の祭神。
釈迦の生誕地、祇園精舎の守護神で、日本における神仏習合では須佐之男命と同一視されました。
この辺から、八坂神社が祇園社、天王社と呼ばれる謂れが来てそうです。
牛頭天王は日本では疫神の代表格とされ、その力で、その他もろもろの御霊(疫病を起こす神)たちを鎮めようと、祇園祭(祇園御霊会)を平安時代から行いました。
新羅三郎義光が勧請
本名は「源義光」
河内源氏2代目「源頼義」の三男。近江国の新羅明神で元服したことで、新羅三郎義光と称しました。
源義家からは源頼朝、足利一族が、源義光からは、佐竹一族や甲斐源氏、平賀一族などが出ています。
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源頼義(河内源氏)
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義家(1039) 義光(1045)
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義親(?) 義国(1091) 義業(1067) 義清(1075) 盛義(?)
| | (佐竹氏) (甲斐源氏) |(平賀氏)
為義(1096) 足利義康(1127) 平賀義信(1143)
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義朝(1123) 足利義兼(1154) 大内惟義 平賀朝雅
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頼朝(1147) 義氏(1189)
明治維新で改称
明治時代に入り廃仏毀釈が行われ、仏教的な名称は変更を余儀なくされました。
大町神社も、昔は鎌倉祇園社、祇園天王社と呼ばれていたそうです。
※祇園=祇園精舎、天王=牛頭天王、ともに仏教の用語です
大町八雲神社の祭礼
正月6日 鎌倉神楽
午後3時から(約1時間15分程度)境内で行われる祭礼。
別名:湯立神楽、湯花神楽とも。市指定無形文化財。
鎌倉検定本には、下記のように書いてあります。
釜に湯をたぎらせ、山飾りを立て、その「山」の内で、現在では神職が舞い、神楽が奉納される。
この鎌倉神楽では、「山」の内ではなくて、本殿の中で奉納していました。
最後は、参拝者の山飾りの取り合いで終了。。。
7月7~14日の間の土曜日から三日間 八雲神社例祭(大町まつり)
鎌倉の祇園祭。
八雲神社例祭は大町まつりとして地元の住民に親しまれています。
鎌倉における天王と付く神社
鎌倉市内の神社には、(牛頭)天王という名称が残っている神社が数か所あります。
大町八雲神社のように、祭神や勧請元を確認していけば、神社の背景が分かるかもしれません。
八坂大神(扇ガ谷)
千葉常胤の二男「相馬次郎師常」が自宅の守り神として勧請。別名「相馬天王」
八雲神社(山ノ内)
「新編相模国風土記稿」に、1224年疫病が流行った時に京都祇園社の神霊を勧請したと。
小動神社(腰越)
御家人の佐々木盛綱が、祖父の領地近江国の八王子社を勧請したのが始まり。7月に天王祭を行う。
京都祇園社(現,八坂神社)
八雲神社の勧請元は、京都の八坂神社です。
斉明天皇2(656)年に、高麗から来た八坂氏の祖「伊利之(いりし)」が、新羅国牛頭山(ごずさん)の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の神霊を八坂郷に祀ったと伝わっています。
これで八坂というのは昔の地名だということ、牛頭は新羅から来た名称ということが分かります。
古くから疫病除けの神として崇敬されました。
今でも7月に行われる「祇園祭」は悪疫退散を祈願する祭礼です。
津島牛頭天王社(現、津島神社)
愛知県津島市に鎮座する津島神社は、神仏習合時代に牛頭天王を祀っていた神社で全国天王総本社。全国に3000の分霊社があります。
西の八坂神社、東の津島神社と謳われたそう。
ちなみに、織田信長は津島のすぐそばの勝幡というところで生まれ、尾張津島天王祭を愛したそうです。津島神社の社紋は織田家の家紋と同じ「木瓜紋」。この辺からも、織田信長が津島神社を深く信仰していたことが分かりそうですね。
八雲神社(大町)の場所、アクセス
JR鎌倉駅から、徒歩10分程度