高見順|人生の後半は鎌倉に、鎌倉アカデミアでも名を残した鎌倉文士

高見順|人生の後半は鎌倉に、鎌倉アカデミアでも名を残した鎌倉文士

高見順の代表作など

鎌倉検定本に掲載されている、高見順の代表作は下記の通りです。

小説「故旧忘れ得べき(1936年)」
詩集「死の淵より(1964年)」
日記「高見順日記

高見順の鎌倉ライフは、高見順日記に書かれているので、読んでみると面白いかもしれません。(鎌倉の図書館で探してみよう)

高見順の年表

高見順の年表を書いていますが、主に鎌倉暮らしの時に絞っていますのでご承知おきください。

時期年齢出来事
明治40(1907)年0生誕(福井県坂井郡三国町)
明治41(1908)年1母と上京
昭和18(1943)年36鎌倉、山ノ内に居住
昭和20(1945)年38鎌倉文庫が開店
昭和21(1946)年39鎌倉アカデミア開校(4年後に廃校)
昭和40(1965)年58死去(食道がん、千葉の病院にて)

生誕時

高見順は、福井県知事「坂本釤之助(さんのすけ)」の非嫡出子として生まれます。父が三国に視察に出来た時に夜の相手をしたのが母だったそうです。今では考えられませんが、明治の時代ですから。

高浜虚子の愛弟子「森田愛子」も側室の子ですし、結構そういうの多いですね。

そのため、高見順は実父の顔を一度も見ることなく、生まれて一年後には母親と上京したようです。

鎌倉では山ノ内へ居住

高見順が35~6歳の頃に鎌倉山ノ内に移住します。

その間の多感な20代は、仕事、結婚、逮捕(治安維持法違反)、文筆生活などを送りますが、鎌倉とはあまり関りが無いのでスルーします(汗)

北鎌倉駅の北側に「権兵衛踏切」と言うのがありますが、その付近に住んでいたようです。噂では、その権兵衛踏切を作った地主さんの借家に住んでいたとか・・・。

鎌倉文庫(既に廃業)を発案

第二次世界大戦末期の戦時中に開店した貸本屋です。空襲の日以外は連日開店で盛況だったみたいです。

鎌倉文庫の発案メンバーは久米正雄、川端康成、高見順ら。
貸本の運営も鎌倉文士とその家族で切り盛りしたと言われています。場所は鶴岡八幡宮の鳥居近く。

ここで鎌倉文庫の活動が、高見順の生誕地「三国」にまで広がります。面白いですね。

三国の文学青年たちが「三国地方文化会」というのを立ち上げ、川端康成・高見順らが鎌倉で始めた貸本屋の鎌倉文庫に倣って三国文庫を始めたようです。(マチノクラ館内展示より)

鎌倉アカデミアで教壇

第二次世界大戦終結後の昭和21年5月に鎌倉材木座の光明寺を仮の校舎として鎌倉アカデミアは開校しました。開山堂を教室として当時は鎌倉大学校と呼ばれたそうです。

世界文学、日本近世史、演出論、仏文学、古典文学、東洋文化史などなど。

ちなみに、鎌倉アカデミア閉校時の第2代校長「三枝博音」も、山ノ内に住んでいました。なにせ四年半しか存続できなかった鎌倉アカデミアですから校長は2名しかいません。

墓地は東慶寺

高見順の墓地は自宅近くの東慶寺(境内奥の墓地ゾーン)にあります。

2023年現在は境内撮影禁止ですし、以前は、それほど高見順に興味がなかったので(汗)探せていませんが。他の方は結構見つけたりもしてたのですが・・・。

その他

川端康成は師?友人?

高見順の事を調べていると、川端康成というこれまた鎌倉ゆかりの大文豪をよく見かけます。

川端康成|初の鎌倉市名誉市民は小説家以外に美術品収集家の一面を持つ人物
今回は鎌倉に所縁のある人物、文豪「川端康成」にフォーカスを当ててみました。小説家以外の一面が見られました。 川端康成(かわばた やすなり) 1899(明治32)…
1192-diary.com

高見順のウィキペディアでは、1949年に川端康成と一緒に映っている画像が載っています。1949年は、高見順が42歳、川端康成が50歳頃の写真ですね。

また、福井県坂井市三国町にある高見順生家跡の横にある説明板には、

川端康成からその作品を
「日本における最初の現代文学」と評された高見順は、・・・

三国詩歌文学館 説明板

と、高見順を絶賛するコメントをしています。お互いに尊敬する間柄だったのかもしれません。
人脈が相当広い川端康成と強い繋がりがありそうなので、高見順も相当な人脈持ちだったと思います。

子にタレントの高見恭子(長女)

Yahoo!検索で「高見順」と入力すると、サジェスチョンで「高見恭子」と出てきます。
同じ苗字だね、くらいにしか思っていませんでしたが、この二人は親子でした。

高見恭子さんはタレントでTVでも時々お見掛けする方です。
そして、夫は元プロレスラーで衆議院議員の馳浩さん。

高見恭子さんは長女ですが、高見順と愛人との間に生まれた非嫡出子だそうです。高見順も非嫡出子ですし。。。

鎌倉散策に役立つ本

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