鎌倉のお寺ではいろんな行事が行われます。
しかし、日頃から仏教に馴染んでない一般市民にとって、行事名から行事の内容・意味がよく分かりません。今回はそのような仏教初心者向けの内容です。
目次
仏教とは?
そもそも仏教とは、インドのブッダ(仏陀)を開祖とする宗教です。つまり「ブッダ(仏陀)の教え」です。ブッダは、釈迦族の王子だったので「釈迦」「釈迦牟尼(しゃかむに)」とも言われます。
このブッダの悟りを書き連ねたものが「お経」。
お経は1,692部もあるんだそう!(驚)
ブッダの三大法会
仏教には開祖(ブッダ)にまつわる重要な行事があります。まずこれを抑えましょう!
4/8 花祭り(灌仏会、仏生会、降誕会)
4月8日はブッダの誕生日。つまりお誕生日祝いです。
灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(ごうたんえ)とも言います。
鎌倉の各寺院で実施されていますね。
お釈迦様が生まれた時、龍が降りてきて香湯に入浴させた言い伝えから、花御堂に甘茶を入れて釈迦像に甘茶をかけて入浴させます。
・建長寺では一山の僧侶が法堂に集い中国宋様式の法要。
・長谷寺では観音堂横の桜の木の下に花御堂を作って行う。
と、鎌倉検定本には書いています。
極楽寺本尊開扉
特に極楽寺では4/7~4/9までは、秘仏の清涼寺式釈迦如来立像が特別開扉されます。
※清涼寺:京都市左京区嵯峨釈迦堂にある浄土宗の寺。ここの釈迦如来像の形式を模した仏像が広まった。
2/15 涅槃会(ねはんえ)
ブッダの入滅(釈迦の死)をしのぶ日。
この法会も鎌倉の各寺院で行われます。涅槃図を公開するお寺もあります。
涅槃図とは釈迦が真ん中で横たわっていて、上部に沙羅双樹の木、釈迦の周りには多くの弟子や動物たちまでも嘆き悲しんでいる様子を描いた図。
絵師が書いてお寺に寄進する、権力者から譲渡される等、いろんな方法でお寺の寺宝になるようです。つまりは保有していないお寺、ボロボロで見せることができない涅槃図などもあるので、一般に見ることができるのはなかなか貴重かもしれません。
2月15日に涅槃図を公開している寺院(一例)
・妙本寺
本堂に掲げる涅槃図を見ることができます。法要も行われます(時間は要確認)
※令和5年度の法要はコロナにより10:00~に(普段は15:00~の法要)
・宝戒寺
寺院の入口に何も書かれていませんが、拝観受付で本堂で涅槃図を見れる旨教えて頂けます
・建長寺
法堂の須弥壇に涅槃図を掲げて読経を行います。
上記以外にも、涅槃図の公開や法要が行われている寺院はあるようです。
12/1-8 成道会(じょうどうえ)
ブッダが成道(悟りを開くこと)した日で、それを記念する行事のこと。
鎌倉の寺院でも、建長寺、円覚寺等で行われているようですけど、鎌倉検定本にはこの成道会のお祭りが見当たらないんですよね・・。
その他の仏教の法会
ここからはブッダに拘らず、各地の寺院で行われる法会を取り上げてみました。
開山忌
寺院を開いた開山の祥月命日(しょうつきめいにち)に行う法要。
※祥月命日:一周忌以降の故人の死んだ月日と同じ月日
7/23-24 建長寺 開山忌
開山「蘭渓道隆(大覚禅師)」をしのぶ。建長寺派の僧侶が集まって宋朝様式の大法要が行われる。
23日は大覚禅師の像が仏殿→法堂へ。24日は法堂→仏殿へ納められる。
建長寺開山忌の様子を短いですがYouTubeにアーカイブ(記録)しています。
10/3 円覚寺 開山忌
開山「無学祖元(仏光国師)」をしのぶ。
一山の僧侶が舎利殿(国宝)に集まり、宋朝様式の法会を行う。仏殿でも。
4年に1度の閏年に開山像を輿に乗せ、境内を巡堂する。
施餓鬼会
飢餓道で苦しむ衆生(しゅじょう|生きとし生けるもの)に食事を施して供養する法会。
※飢餓道:生前の強欲や嫉妬などの行いの報いとして飢餓道に生まれたもの
7/15 三門梶原施餓鬼会(建長寺)
建長寺では施餓鬼会に引き続いて、梶原景時の亡霊を弔う為にもう一度施餓鬼会を行う。
昔、施餓鬼会が終了したときに一騎の武者が駆け付けたが、すでに終わっていたため引き上げたところ、大覚禅師が呼び戻してもう一度施餓鬼会を行った。
その武者が「私は梶原景時」と感謝の言葉と共に言ったそう。そんな言い伝えがあるんですね。
7/24 本尊地蔵大施餓鬼会(宝戒寺)
本尊の地蔵菩薩の縁日に施餓鬼法要を行う。
仏教用語は、普段使わないから知らないことだらけです。
まさか誕生日のことを花祭りって言うとか、灌仏会とか降誕会とか同じ意味だったことも、今回調べてみてようやく分かりました。
でも一度分かってしまえばちょっと身近に感じることができますね。
あとは、その日に鎌倉の寺院で行われている仏事に、実際に足を運んでみれば完璧だと思います。