鎌倉神楽とは?
別名:湯立神楽(ゆだてかぐら)、湯花神楽とも。市指定無形文化財
釜に湯をたぎらせて、山飾りを立てて、その山飾りの中で神職が舞い、神楽が奉納されます。
「山」は神様の依り代(よりしろ)。除災・招福を祈って行われます。
※依り代|神霊が寄り付く憑依物のこと。樹木や岩石など
市指定無形文化財(鎌倉市)
鎌倉市の市指定無形文化財は2件(市指定の総文化財件数は328件)※令和4年2月時点
・鎌倉木遣唄(昭和58年3月11日指定)
・鎌倉神楽(平成7年10月13日指定)
です。
神楽(かぐら)とは?
神楽は日本の神道で神事の際に、神様に奉納する歌舞(かぶ)のこと
歌舞(かぶ)とは文字通り、歌ったり踊ったりすること。約90種類の神楽歌が存在しています。
古事記・日本書紀に書かれている神話「岩戸隠れの段」
弟「素戔嗚尊」の悪事に呆れた「天照大神(太陽神)」は天岩窟(あめのいわや)に閉じこもってしまい国中が暗闇になってしまい、八百万の神が相談。天鈿女命(あめのうずめのみこと)が天岩窟の前で巧みに踊り、気になった天照大神が岩戸を開けて様子を窺い、その隙に怪力の手力雄神が天照大神をひっぱり出しました。
※参考図書:神社検定公式テキスト10 神話のおへそ「日本書紀」編
「踊ることで神を招く」これが神楽の意味だと思われます。
神楽をすることで、神様を招いて、お祝いを述べ、かつ、神様に楽しんで頂くと。
里神楽
神楽は大きく分けて「御神楽(みかぐら)」と「里神楽(さとかぐら)」の2種類。
御神楽は宮中の儀式として行われ一般公開されないため見ることができません。
自分たちが、神社や例祭などで見ることが出来るのは「里神楽」です。
湯立神楽
さらに里神楽は4種類に分かれるようですが、そのうちの一つ「伊勢流神楽(いせりゅうかぐら)」が、湯立神楽とも呼ばれ、鎌倉神楽はこれに属しそうです。
伊勢外宮の摂末社の神楽役が行った神楽が各地へ広がったもので、湯立てという名前からも、釜で湯を沸かし、巫女や神職が自分や周囲にその湯をかけて清める儀式が神楽に結び付いたものだそう。
その他3つの神楽については、おいおい調べることにしましょう。
鎌倉神楽が見られる祭礼
鎌倉神楽(大町八雲神社)
1月6日 15:00~(所要時間約1時間15分)
大町八雲神社で正月早々に行われる例祭。
鎌倉神楽は、本殿の中で行われ、時々、境内に降りてきて山の下に、湯釜の中に笹を浸し、また本殿に戻ります。本殿の中では弓矢を引く動作があったり、鎌倉神楽を楽しむことができます。
笹に浸した熱湯を、身に振りかけることによって祓禊(ふつけい|みそぎ行為)の意味があるそうです。
御霊神社例祭(坂ノ下御霊神社)
9月18日
湯立神楽の後に、有名な面掛行列(県指定無形民俗文化財)が行われ、坂ノ下を練り歩きます。
※2023年時点、御霊神社は写真撮影禁止になっています。