歴史を理解するために、NHKの大河ドラマはうってつけの教材だと思っています。
今回は「葵 徳川三代」から江戸時代初期周辺を勉強させてもらいました。
目次
葵 徳川三代
2000年に放送された大河ドラマ。
家康・秀忠・家光と三代にわたる内容ですが、真の主人公は二代将軍「秀忠」ですね。
今まで、八重の桜、太平記、真田丸、義経とか、いろいろ見てきましたが、この葵 徳川三代は、めちゃくちゃ面白いです。
役者が凄いが知らない人も多い
いつもは途中で飽きたりするのですが、これはずーッと見入ってしまいます。
役者が上手なんですよねー。
徳川家康の津川雅彦なんて迫力があって釘付け。家康→秀忠に対する帝王学を伝える場面とか最高です。
でも放送は20年も前なので知らない俳優が多いのは仕方ないですね。
今なじみの、小栗旬、神木隆之介、山田孝之が、子役のちょいやくで出てるくらい昔ですからね。
単語に意味付けされる
個人的にグッと来たのが、養女とか養母。
本などで文面だけ読んでると事実だけ掴んでしまうけど、演技が加わると揺さぶられますね。
実の子どもが生母より養母に懐いたときの生母の悲しさ。
養女にさせられる子供、しなければいけない両親の悲しさ。
冷静に考えたら養女って生き別れですからね。
本を読んで人物の気持ちをここまで掴めたら良いですけどなかなかできないです。
徳川家康が尊敬していた日本人
徳川家康は勉強家で有名ですよね。
戦国時代を生き延びるために、いろんな歴史から学んでいると書いてます。論語なんか有名ですね。
他にも、
・吾妻鏡の研究
・源氏物語の授業を受ける
・三浦按針(ウイリアム・アダムス)から幾何学や数学を学ぶ
など、上に立つ人は学び続けてますね。
鎌倉と徳川家
葵 徳川三代の話が長くなりましたが本題はこっちですね。
ドラマに出てきた「英勝寺」「東慶寺」、出てこないけど「貞宗寺」。この三つを深堀ります。
東光山 英勝寺
英勝寺の開基は「英勝院尼」、太田道灌の子孫です。
案内板には「水戸徳川家の初代頼房の養母」って書かれてますけど、葵 徳川三代ではこの辺りを詳しく知ることができました。
英勝院の実子は五女
英勝院(1578-1642)は徳川家康の側室の一人。お梶と呼ばれてました。
徳川家康は多くの側室を持ち、最終的には11男5女の計16人の子供を作ります。
英勝院(お梶)と徳川家康は、市姫(五女|1607-1610)を生みますが幼少で没してしまいます。
その時の年齢はなんと家康66才-お梶29才。凄い世界です・・・。
だから、家康の子供が孫より年齢が低いっていう状況があって、一族の人間関係や親子関係の理解を妨げますよね。
水戸徳川家初代藩主 徳川頼房
英勝院(お梶)の一つ年上の側室に養珠院(お万|1577-1653)がいて、10男と11男の二人の子供がすくすくと育っていました。
5女市姫を亡くして悲しむ英勝院(お梶)と徳川家康。
そこで家康は年長の10男はそのまま養珠院に、年下の11男を英勝院に渡すように言い、英勝院が11男の養母になりました。
10男は徳川頼宜(1602-)紀州徳川家初代藩主
11男は徳川頼房(1603-)水戸徳川家初代藩主 です。
ちなみに2代将軍「徳川秀忠」は、3男で1579-1632。
尾張、紀州、水戸の御三家は徳川家康が後年の時に生まれた子供ばかり。
3男秀忠と同じような年代の子は、戦で亡くなったり幼少で没したりでほとんど残ってませんでした。
こういう詳細は本を読むだけだとなかなか理解できませんが、ドラマで何時間も見てると分かってきますよね!
家康が尊敬した日本人は?
尊敬していた日本人は「源頼朝」。
征夷大将軍になるときの場面では、源頼朝の名前が出てきてテンションが上がりますね。
徳川家の本流(宗家)は、「家」と「忠」を交互に用いるのが通例。
本流から外れた10、11男の頼宜、頼房の「頼」は、源頼朝から来てるそうですよ。
源氏の流れを組んでる由緒ある血筋だということを伝えたかったとか。
英勝院の土地は3代将軍家光の寄進
3代将軍「徳川家光」は1604年生まれ。(1651年没)2代将軍秀忠の嫡男。
これは徳川頼房(11男)と1歳違いの年齢。
少年時代は家光と頼房は仲が良かったみたいです。悪行も一緒に・・・。
葵 徳川三代では、第32話「家康の死」で両人がアイコンタクトをする場面があります。
そんなことで家光は頼房の養母だった英勝院(お梶)を認めてたんでしょうね。
家光が英勝院の為に土地を寄進するのも分かる気がします。
英勝寺は浄土宗
徳川家ゆかりのお寺は浄土宗が多いです。
これから書く「貞宗寺」も浄土宗。芝の増上寺も浄土宗。
これは、徳川家が浄土宗・天台宗を信仰していたから。これも納得。
玉縄山 貞宗寺
浄土宗。
NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」とは特に関わりないですが、徳川家ゆかりなので一応。
貞宗寺の由来は貞宗院(大奥の御年寄役)
※お年寄役は老中に匹敵する役職
徳川家康の側室「お愛」の母親です。
お愛は徳川秀忠(2代将軍)を生んだので、秀忠のおばあちゃんですね。
晩年に江戸幕府より210石を貰って、この場所で隠居したのが所縁ですね。
松岡山 東慶寺
臨済宗円覚寺派。縁切り寺で有名な東慶寺。
徳川家と関係してくるのは20世住職「天秀尼(てんしゅうに)」の頃ですね。
葵 徳川三代では第30回放送「大阪城炎上」で数分ほど流れますよ ^ ^
天秀尼は豊臣秀頼(秀吉の嫡男)の側室(侍女)の子。小さいときの名は結姫。
これだけだと徳川家と関係ないんですけど、大坂夏の陣後に千姫の養女となったんですね。
徳川秀忠(2代将軍)の長女「千姫」
千姫は徳川秀忠(2代将軍)とお江(正室)の長女。
徳川家康から見たら孫娘。
養女とはいえ、徳川家からの厚い庇護を受けるのは分かりますね。
昔は、浅井三姉妹とか、お市とかお江とか淀殿とか、関係性が全く分からなかったんですけど、葵 徳川三代見たら嫌でも覚えちゃいますね。
そりゃ全49話。
1話45分として2205分。36時間45分。約1日半も徳川情報のシャワーを浴びてるんですから!