今回は、鎌倉時代に名をはせた「坂東平氏」の祖先を調べていくとぶち当たる「平良文」について、ゆかりの地も交えながら書いていきたいと思います。
桓武平氏略系図
桓武天皇 - 葛原親王- 略 ┓ 下へ
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平高望 - 国香 → 伊勢平氏(平清盛)、北条氏(時政、義時)
- 良兼
- 良将 - 将門
- 良正
- 良文 → 千葉氏、上総氏、秩父党、中村党、鎌倉党、三浦党
平良文(たいらのよしふみ)
生没年不詳。生誕は886年(仁和2年)とも。平高望の5男。従五位上。陸奥守。鎮守府将軍。
千葉氏や三浦氏、鎌倉党など、多くの坂東八平氏の祖となった人物。
平将門の乱では村岡郷にいて、ひそかに将門に味方した説もあり。
簡易年表
年代 | 年齢 | 出来事 |
---|---|---|
886(仁和2年) | 1 | 京で生まれたとされる |
898(昌泰元年) | 12 | 父:平高望が東国に下向 側室の子「良文」は、従わなかった |
923(延長元年) | 36 | 醍醐天皇の勅命で、母と共に東国へ下向し盗賊を滅ぼす |
相模国鎌倉郡村岡郷渡内村(現:藤沢氏村岡地区)に移り、村岡五郎を称する | ||
939(天慶2年) | 鎮守府将軍、従四位下、陸奥守に任じられる | |
~940 | 平将門の乱、山城国の御霊神社を同郷宮前村に勧請(宮前御霊神社) | |
952(天暦6年) | 67 | 病死し、村岡の地に葬る |
良文流平氏 略系図
良文の子孫には、鎌倉幕府の御家人で活躍した多くの一族がいます。
平良文 -忠頼 - 忠常 → 房総平氏(千葉氏、上総氏)
- 将恒 → 秩父党(畠山氏、河越氏、江戸氏、渋谷氏、豊島・葛西氏)
- 頼尊 → 中村党(中村・土肥・土屋氏)
-忠光 - 忠通 → 鎌倉党(鎌倉・梶原・大庭氏)、三浦党(三浦・岡崎・和田氏)
平忠頼の妻は平将門の次女「春姫」。良文は将門と近しい間柄だったのかもしれません。
平常忠は、房総半島一帯で反乱を起こした(平常忠の乱|1028年)人物です。
妙見信仰
平良文は妙見菩薩の加護を受けた人物でも有名です。
平将門の乱の時に妙見菩薩に助けられて九死に一生を得て、それから戦いの毎に妙見様に祈願して常に勝利してきましたと伝わっています。
平良文を祖とする千葉氏は、一族郎党の守護神を妙見様として、代々熱烈な信仰を捧げてきました。
千葉常胤が住んでいた千葉城阯の近くにも、妙見菩薩を祭っていた現千葉神社があります。
平良文ゆかりの地(藤沢市)
ニ伝寺(平良文墓所)
藤沢市渡内にあるお寺です。
1506(永年2年)に玉縄城主 北条氏時の発願によって創建とさていますが、このお寺の左手奥に「平良文」とその子供「忠光」&「忠通」の3基のお墓があります。
平良文-忠光-忠通の三大は、鎌倉党、三浦党と、ここ相模国で活躍した御家人の祖にあたる人物ですね。
坂東八平氏の祖で、村岡五郎良文と名乗って鎌倉郡村岡郷渡内村に住んだ平良文。
— kago@鎌倉暮らし (@KagolaboJp) June 20, 2021
こんな凄い人のお墓が、藤沢市渡内のひっそりした二伝寺にあるんだから、歴史散策やめられない😊#桓武平氏 #藤沢 #平良文 #二伝寺 pic.twitter.com/0GCcnDDFtJ
ニ伝寺の場所
ちなみに、平良文(村岡五郎良文)が住んでいたとされる村岡城址はここから500mほど。
藤沢市渡内は、藤沢氏村岡東に隣接。と村岡という名前が沢山見られるので、平良文ゆかりの地を言えますね。
宮前御霊神社
藤沢市宮前にある御霊神社。
こちらは鎌倉党の中でも有名人の「鎌倉権五郎景正」にゆかりのある神社です。
創建は940年。平将門の乱が起きているときですね。
村岡五郎良文が平将門の討伐祈願のために、京都(山城国洛中)の御霊神社より勧請したようです。でも、良文は将門の見方だったという説もあり、パフォーマンスだったのでしょうか。
その後に、鎌倉権五郎景正、以下が祭神に加えられたそうです。
ちなみに鎌倉市を中心に御霊神社(一番有名なのは坂ノ下の御霊神社かな?)は沢山ありますが、村岡五郎良文の居城だった村岡城址の近くにある、この宮前御霊神社が大本で、近くにある御霊神社はこの神社からの分霊だとされています。
藤沢市にある宮前御霊神社。
— kago@鎌倉暮らし (@KagolaboJp) June 19, 2021
鎌倉時代で桓武平氏流の御家人を調べていくと、絶対ぶち当たる村岡五郎良文が住んでた藤沢市村岡の近くにある神社⛩
坂ノ下にある御霊神社もココの分社みたい。藤沢市も侮れない😤#藤沢 #御霊神社 #桓武平氏 pic.twitter.com/xEb10Fzmcf
村岡城址
平良文とその後裔が住んだと言われる「村岡城址」。
今は「村岡城址公園」になって面影はありませんが、石碑が設置されています。
鎌倉のお隣「藤沢市」で、多くの坂東平氏の祖を巡り感じることが出来るので、この地域はやっぱり良いですね!