曲亭馬琴|江戸時代の戯作者、有名な物語は鎌倉ゆかりの人物が登場

曲亭馬琴|江戸時代の戯作者、有名な物語は鎌倉ゆかりの人物が登場

曲亭馬琴(滝沢馬琴)

1767~1848
江戸時代後期の読本作者。戯作者。
※戯作とは江戸時代に興った小説などの読み物のこと。戯れに書かれたものの意味だそう。

ちなみに、本名は「滝沢興邦(たきざわ おきくに)で、滝沢馬琴と本名と筆名を組み合わせた呼び方は間違いだそうで、最近は曲亭馬琴と書かれていることが大半です。
※でも、東京都に設置されている説明板は滝沢馬琴って書いてますけど・・・。

代表作は、『南総里見八犬伝』(安房里見氏)と『椿説弓張月』(源為朝)。

安房里見氏は鎌倉に攻めてきた一族で、源為朝は頼朝の叔父にあたり伊豆大島から六角の井(鎌倉)まで弓を飛ばしたという伝説を残している人物で、鎌倉にちょっとは関わっています。

曲亭馬琴の簡易年表

年代年齢出来事
明和4(1767)年0江戸深川で生まれる
寛政2(1790)年24山東京伝(戯作者)に親しく出入りし始める
文化4(1807)年40椿説弓張月」の刊行開始
文化11(1814)年47南総里見八犬伝」の執筆開始
文政7(1824)年58息子の為に購入した神田明神下の宅に増築して同居
天保10(1839)年73失明。息子「宗伯」の妻が口述筆記し、南総里見八犬伝を完成させる
嘉永元(1848)年82死去。墓所は深光寺(文京区)

ちなみに享和2(1802)年、35歳くらいの時に4か月くらいかけて江戸から関西地方へ旅行をし、関西の文人と交流、また物語のゆかりの名所などを巡ったようです。

曲亭馬琴とゆかりの人物

山東京伝

1761~1816。馬琴よりも6歳ほど年上。
曲亭馬琴にとっては、師匠でありライバルでもあった人物

葛飾北斎

1760~1849。超有名な浮世絵師。
曲亭馬琴の作品に最も多く挿絵を描いたのが、この葛飾北斎だそうで、とても親しかったようです。

南総里見八犬伝

南総里見八犬伝は室町時代後期が舞台。

安房里見家の亡き姫(伏姫)と不思議な因縁で結ばれた八犬士が、安房里見家に降りかかる災難や難局に立ち向かい、最終的に各々の宿願を果たしつつハッピーエンドになる長編物語です。

物語は、安房里見家が始まった前期里見家がベースになっていますが、鎌倉へ攻めてきて後北条氏と柏尾川で戦ったのは後期里見家で、直接的に鎌倉とは関係ありません。(が、間接的に)

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とはいえ、物語の始めは結城合戦から始まり、ここには鎌倉公方「足利持氏」の遺児が出てきますし、太田道灌、上杉定正などの武将の名前も出てきます。

実際の歴史を知っておくとより楽しく読めると思いますし、歴史を知らないとすべて史実と思い込んだりっていう、弊害がありそうです・・・。

椿説弓張月

椿説弓張月は「源為朝」を主人公にした物語。

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保元の乱で崇徳上皇側として父「源為義」と共に、後白河天皇側(&兄の源義朝や平清盛)と戦い負けて、伊豆大島に流罪に。

そこから、琉球に流れて為朝の子「舜天丸」が琉球国王になるという壮大な物語です。

曲亭馬琴ゆかりの地

曲亭馬琴は主に江戸が活動拠点だったので、ゆかりの地はほぼ江戸(東京)にあります。

馬琴とゆかりの深い山東京伝や葛飾北斎らのゆかりの地も一緒に探して巡ると、より馬琴の事を詳しく知れそうですね!

曲亭馬琴誕生の地(江東区)

東京メトロ「清澄白河」駅、清澄庭園の横、今は江東区深川ふれあいセンターが建っている前に説明板が建っています。

説明板の下には、南総里見八犬伝の冊子を積んだ銅モニュメント(記念碑)があります。

そして、この深川の地には、北鎌倉ゆかりの映画監督「小津安二郎」が生まれた地でもあり、ココから300mくらい離れた時に、案内板があります。梯子できるのでラッキーです。

居住跡(外神田)&終焉の地(信濃町)

雑談ですけど、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ物語の「岸部露伴は動かない」のテレビドラマのシーズン3から、漫画家の岸部露伴が犬を飼い始めるのですが、名前が「バキン」って言います。

マンガも小説も同じ娯楽作品。
きっと、「曲亭馬琴」から採用したんだろうなと勝手に思っています。

一般人には、日本史で学ぶ「曲亭馬琴」という名前しか馴染みがないですけど、物書きだと「曲亭馬琴」はちょっと神様的な感じでしょうか。鎌倉に住んでると「源頼朝」って付けたがる感じで。

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